場末病理専門医のつぶやき

旅、グルメ、ときどき顕微鏡

新生活・・・コロナ禍の影響と大学病院の憂鬱

新年度から所属している医局のある大学病院に勤務しています。

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僕ら専攻医(専門医を取るために研修している身分、いわゆる初期研修医の後専攻医になります)と呼ばれる世代は基本的にはほとんどの方がどこかしらの大学の医局に属し、人事は全て医局の仰せの通りという状態にあるかと思います。

 

一度でも大学病院勤務をしてしまうと信じられないのですが、世間一般では大学病院信仰というものが今だにあるようで、大学病院転勤が決まったと非医療従事者に話すと、「栄転ですね」なんて言葉をかけてくれる人もいました。

 

実態は全然そんなことなくて、去年までの勤務先はそこそこ大きな民間病院で、雇用契約も常勤職員扱い、福利厚生もしっかりしていましたが、大学病院での僕の立場は非常勤雇用パート職員で、なぜか週4回勤務契約となっています(週5日大学には行っておりますが・・・)。大学病院からの給料だと新卒大学学部生くらいしかもらえませんし、当然ボーナスなし、家賃補助なし、通勤手当なし、です。

ちなみに残業代はPM22時~AM7時の間であればつけていいようです笑

 

学生の頃、移植をしている科を実習で回った時に、Drたちが「自分らは移植後の患者の容態を月曜日から日曜の早朝から深夜まで診ているのに、大学は4日間しか働いていると認めてくれないから実質契約の2倍以上働いていることになる」と嘆いていました。

 

現場の医師からすれば大学病院=きつくて給料安い、が共通見解です笑

 

給料安い、に関しては皆さん外勤という名のアルバイトをすることでしのいでいます。

他の病院の夜間救急当直や外来であったり、僕は病理医なので他の病院の診断応援などでアルバイト代を稼ぎ、生活費の足しにします。

しかし緊急事態宣言を受けて、感染拡大防止のために外勤医師を断る病院も出てきており、僕も一部のバイトは消滅しました。

 

病理には病理医だけではなく、内科や外科から博士課程の大学院生も学びに来ています。(と、同時になんらかの病院業務を請け負っている人も多いです、いわゆる無給医です。)彼らは学費を払いつつ、研究や家族を養っていくために当然アルバイトが必須になります。しかしバイト先で、コロナ発生した、とかバイトがなくなった、なんて話もよく聞きます。

 

アフターコロナの世界ではこの不安定な雇用立場の医師を使いつぶしてかろうじて回っている医療体制が改善されるといいなと思っているのですが、どうなるでしょうか。